油絵とアクリル画ってご存知ですか?・・・自分が描く時に迷った時に
水彩や顔料も人気ですが、大人になって絵を描こうとなったときに思い浮かべるのが、油絵具とアクリル絵の具ではないでしょうか。
絵を描きたいというとき、どの画材を使おうかと迷った事はないですか?
美術館などで観る作品の多くは、油彩かアクリル画が多いと思いますが、現在で広く使われているのが、アクリル絵具だと思います。
油彩画は600年前ほどに考案され、ヨーロッパ美術の伝統があります。
アクリル絵の具は 1950年代にアメリカで販売が始まりたくさんの抽象表現主義やポップアートの画家達が試す様になり広まりました。
キャンバスに絵を描いてみようと思われた時、この二つの画材の特徴を参考にして選んでもらえたらと思います。
油彩とアクリルの違い
1 溶剤の違い
油彩は オイル
2 乾燥時間の違い
油彩は乾くのが遅い
アクリルは速い。
3 質感・色味の違い
油彩の方が深みがあり
アクリルは軽くポップな色がある
4 臭い
次に油絵具とアクリル絵具のメリット、デメリットについてですが、共にメリットがデメリットとなっています。
油絵具とアクリル絵の具のメリット、デメリット
油彩画のメリット
① 美しい光沢、質感、絵具の量感
絵具を油で溶いた結果、こういった効果が表面に出てくるからでしょう。
② 乾くのが遅いので画面上で絵具を混色できる
キャンバス自体が パレットではないですが、そこで色を作ることができますし、偶然の効果が現れることもあります。
重ね塗りの効果が比較的簡単
乾いた画面に薄く溶いた絵具を重ねた効果が出しやすい。
油なので伸びが良く透明感が出しやすくムラが目立たないので、重ね塗りがしすい。
④ いかにも、描いてる感じが味わえる
油彩画のデメリット
① 乾燥が遅い。
次の絵具をのせる時に、色を混ぜたくない場合は乾燥を待たないといけないので、制作に時間がかかる。
② 油の臭い。
臭いはダメな方もいるし、揮発油がこもるので、換気が必要。
③ 準備と後片付けが面倒
服や机に付いた絵具は、専用のオイルで落とさないと取れないし、使用した筆はオイルで洗ったりその後洗剤で洗ったりとしなければ固まって取れなくなってしまいます。
下地処理や絵具、仕上げによって、年月が経つと表面の絵具にヒビが入ることがある。
アクリル絵の具のメリット
堅牢、耐久性に優れている。
樹脂から作られているので、退色、ひび割れに強い。
② 乾くのが早い
乾燥を待たなくても上から塗れるので 制作時間が短縮できる。
③ 扱いが簡単
水で溶くことができるので、準備や後片付けが楽です。
④ 他の画材、素材との組み合わせに向いている。
ペースト状なので、絵具に砂や繊維を混ぜたり、水彩やパステルとの併用もできる。
⑤ 油絵具に比べると、価格が安く、色味もポップな色や蛍光色もあり幅が広い。
アクリル画のデメリット
すぐに乾く。
出した絵具の保存は難しい。
筆も常に水に浸けておかないとすぐ固まってしまいます。
(浸けっぱなしは、筆先に癖がつくので洗って拭いて下さいね。)
② 樹脂なので、厚塗り薄塗りにかかわらず質感が軽い。
(これはメリットとも取れます。モチーフや表現方法ではメリットになります。)
油絵具の上には、描けません
アクリルのデメリットを補うものとして、
乾燥を遅らせるメディウム、リターダーがあります。
これらをアクリル絵具に混ぜると乾燥を調整できます。
また、メディウムを混ぜると とろみが出て油彩に近い使い勝手になったり、絵具を盛り上げたりできるので油絵具が使えない方は メディウムを混ぜてみるといいと思います。
ポイント
- 仕上がりの雰囲気
- 部屋の環境、予算
- 制作時間
以上のことにポイントをおいて選んでみてはどうでしょうか
仕上がりの雰囲気については、自分の好きな作家や絵画が、何で描かれているかを観て同じ物を使うと同じ効果を狙うことができるかもしれません。
比較的自由に使える部屋があるなら、油彩もいいでしょうが、小さい子供達や油彩の臭いが気になる様でしたら、アクリルの方がいいと思われます。
画材などについては、絵具、油、キャンバス、額、等々・・・油絵の方が、費用がかかると思います。
仕上げた物を部屋に飾る場合、最近、絵画のテイストによっては、キャンバスそのままでかけることもありますが、古典的な雰囲気の物においては、額に入れた方が見栄えはすると思います。
またどのくらいで、仕上げたいか、ゆっくり時間があるかにもよるでしょう。
いずれにしても、実際に描いてみないと違いは分かりにくいかもしれませんね。
はじめはアクリルで、後半油絵具もありです。
私は、臭いと乾燥時間の問題から、最初はアクリルを使って描き進め、そのままアクリルで仕上げたり、後半、物足りないと感じたらアクリル画の上から油絵具で描き進めて仕上げる様にしています。
アクリルの上に油絵具はのりますが、その逆は絵具がのりません。
微臭の溶油もありますが、絵具自体にオイルが入っていますし、筆を洗うのもオイルなのでやはり部屋の中に置くと臭います。
描きかけの物は、廊下や玄関にかけたり、筆洗や筆を拭いたタオルは ビニールに入れてベランダや玄関に置いてます。
自分の好きな作家や絵画が、何で描かれているかを観て同じ物を使うと同じ効果を狙うことができるかもしれません。
試す機会があれば、その後、購入する方がいいと思いますが、アクリルは、いろんな素材に描けるのでDIYや手芸工作好きな方は、持っててもいいと思います。
最近は、100均でも見かけることがあります。
他にも、画材屋さんにいくと、ペン、マーカー、ガッシュ、パステル、オイルパステル、透明水彩、水彩色鉛筆など、いろんな画材を置いてあります。
ぜひ、いろいろ楽しみながら試してみて下さい。